北海道・十勝/NPO十勝文化会議「文化創造」

十勝で芸術文化を愛する人々が集い、十勝型文化を発信するために発足した十勝初の民間文化団体。

  1. ホーム

トピックス

トピックスNews Info

十勝文化賞に帯広の鈴木扶さん 文章指導に尽力

お知らせ

十勝文化賞に帯広の鈴木扶さん 文章指導に尽力

 NPO十勝文化会議(林光繁理事長)は12日、第28回(2013年度)十勝文化賞と十勝文化奨励賞、十勝文化特別賞の受賞者を発表した。

 文化賞には帯広市の鈴木扶さん(74)が選ばれた。鈴木さんは元市民文藝編集委員長。教員時代から随筆などを手掛け、市内を拠点とする随筆講座「檜葉の会」や各講座で文章指導を続けてきた。

 奨励賞は、夫婦で手作りの公演を続ける新得町の人形劇一座「パセリ座」と、帯広交響楽団のコンサートマスターなどを務める音更町の牧野貴博さん(52)。特別賞は、劇団ほうき座(帯広)の副代表で多くの舞台演出を担ってきた帯広市の窪田稔さん(66)、十勝管内の現役やOB教員でつくる荒土美術会の創立会員で、同市在住の版画家冨久尾豊さん(81)が選ばれた。

 表彰式は20日午前11時から市内の北海道ホテルで行われる。(山岡瑠美子)

◇ ◇ ◇
 NPO十勝文化会議の十勝文化賞を受賞した鈴木扶さん、十勝文化奨励賞の人形劇一座「パセリ座」と牧野貴博さん、十勝文化特別賞の窪田稔さん、冨久尾豊さんに、これまでの足跡と受賞の喜びを聞いた。(山岡瑠美子、古川雄介、井上朋一)

 ◆十勝文化賞
 鈴木扶さん(74)
 「個人で受けたというよりも、関わった人の力が結集していただいた賞。光栄に思う」と喜びを語る。

 1939年札幌市生まれ。國學院大学卒。十勝では大樹高、帯工高、帯緑陽高の国語教諭を務め、鹿追高の校長で退職した。文学を担う子供の裾野を広げようと2010年から管内小・中・高校生らが対象の公募文芸誌「ジュニア文芸」の実行委員長。帯広市内の自分史講座の講師や、郷土作家アンソロジー(NPO十勝文化会議など主催)の選考委員を担当、後進の育成に力を注いできた。

 高校の同僚だった小笠原洽嘉さん(室蘭市・児童文学者)の影響を受け、25歳ごろから児童文学を書き始め、その後小説に転向した。手紙を書く両親の下で育ち「丁寧な言葉の手紙は書く訓練になっていた」と思い起こす。帯広市民文藝は3回応募し、72年に「四海波静かにて」で市民文藝賞を受賞した。

 30年間講師を務める「檜葉の会」ではこれまで月1回、364回の講座で3927編の作品を添削した。

「生きている充実感は、書くことによって得られ、自分自身に光を与える」と自分の思いを伝え続ける。



十勝文化賞に帯広の鈴木扶さん 文章指導に尽力

◆十勝文化奨励賞

 牧野貴博さん(52)
 帯広交響楽団創立からコンサートマスターを務め、主宰するバイオリン教室では幼児から60代までの生徒を指導。奨励賞受賞に「今後も頑張れと言われている思い」と気を引き締める。

 1961年、音更町生まれ。小学1年生のとき、習い事としてバイオリンを始めた。帯広北高から国立音楽大に進み、卒業後に十勝へ戻り、実家のある同町でバイオリンを教え始めた。

 「音楽で仲間が増えていくこと」を醍醐味(だいごみ)に音楽を続けた。「楽団は自然体で臨み、教室では少しでも弦楽器の裾野を広げられれば」と話す。



十勝文化賞に帯広の鈴木扶さん 文章指導に尽力

◆十勝文化奨励賞

人形劇一座「パセリ座」
能登秀雄さん(60)真由美さん(60)
 新得町上佐幌で農業を営みながら28年間、町内外の図書館や保育所、幼稚園で公演を続けている。「子供たちの笑顔から勇気をもらってきた」と真由美さん。

 秀雄さんは兵庫県、真由美さんは熊本県出身。1985年から手作り人形と独学の人形操りで活動を始め、宮澤賢治の作品や昔話などレパートリーを増やしてきた。珍しいマリオネットにも取り組んでおり、年間20回以上の公演をこなす。

 秀雄さんは「娯楽が多様化している中だが、親子で見て後から会話ができるような人形劇を続けていきたい」と話している。

十勝文化賞に帯広の鈴木扶さん 文章指導に尽力

◆十勝文化特別賞

 窪田稔さん(66)
 演劇や歌、洋舞、オペラの舞台演出や監督、脚本担当など多彩な顔を持ち、各文化団体や個人を結ぶ“懸け橋”となってきた。「多ジャンルの人と協力するのがモットー」と話す。

 帯広市出身。帯三中、帯柏葉高で演劇部に所属し、当時は珍しい男子部員として奮闘、舞台に立つ喜びを感じた。劇団ほうき座(1968年~)の立ち上げに関わり、帯広市民ミュージカル「青い鳥」(86年)で演出、帯広市民オペラの会では98年から演技指導や演出を担当。「舞台で生まれる人の笑顔が好きだから」と活動の原動力を語る。

十勝文化賞に帯広の鈴木扶さん 文章指導に尽力

◆十勝文化特別賞
 冨久尾豊さん(81)
 版画制作の傍ら子供の指導に尽力する。「図工は色や形で自分の心を話す手段」と語る。

 豊頃町生まれ。管内の小学校教諭として1993年まで勤務し、在職中は「図工美術サークル」で活動。現在は子供向けの造形教室で版画指導に当たる他、1989年から「おびひろ・ひだか児童版画コンクール」の審査を担当する。

 版画は帯広で棟方志功作品展を見て衝撃を受け、独学で学んだ。新道展(第40回)佳作、道展(第76回から5回)入選など。「十勝の風土を見詰める作品を」と制作意欲は尽きない。

最新のお知らせ・募集情報News Info

最新の活動記録Activation