新入学児童のための保護者教室
お知らせ
小学校の入学式まで2カ月余り。ランドセルを背負い校門をくぐるわが子に成長を実感し、感無量に-。一方、授業や給食、学校行事、クラスメートとの付き合いなど、新入学を前に不安を持つ親も多いのでは。25日にとかちプラザで開かれた「新入学児童のための保護者教室」(十勝毎日新聞社、NPO十勝文化会議主催)では、現役教諭やPTA関係者3人が、学校生活を迎える前の心構えや子供の接し方についてアドバイスした。講話の要旨を紹介する。(
帯広豊成小学校教諭 平田ゆみさん
入学後、5月の連休明けからは、給食を挟み午前、午後の授業になる。徒歩での登下校、学校という場所、先生、友人など新しい人間関係が、不安や緊張、疲れにつながる。毎日十分な睡眠、栄養が必要だ。朝ご飯をしっかり食べさせて学校に送り出してほしい。
学校生活を前に(1)あいさつ、返事(2)後片付け(整理、整とん)(3)自分のことは自分で(4)自分の気持ちを自分で伝える-を身に付けてほしい。給食時間では苦手な食べ物でも、アレルギーがなければ一口でも食べるよう挑戦してみて。そのチャレンジが、何か別の「壁」を克服する自信になる。
友人関係トラブルの多くはコミュニケーション不足で、苦手な子、知らない子同士の付き合いは成長できるチャンス。決して親が介入、解決しようとせずに、子供に「相談相手」として選んでくれるような距離を。子供を意識して関わりつつ、焦らずに子供たちの成長を見守ってほしい。
帯広第二中学校養護教諭 遠藤秀子さん
学校生活を送る児童・生徒を見ていると、「朝から体調が悪い」「疲れやすい」「我慢が苦手で面倒くさがる」など何らかの不調を抱えている子が多い。原因は睡眠、食生活、運動の生活リズムの乱れと映像メディアによる弊害と考えている。
食事面では就労形態の変化で一緒にできなくても、置き手紙をするなど工夫もできる。特に朝食は重要で、ごまをかける、のりを添えるなど簡単な工夫で栄養バランスを意識して。車社会の十勝は学校-自宅間を送迎する家庭も運動不足がち。幼少の頃は特定の競技に偏らず、いろいろな運動、遊びをすると良い。
「朝の生活リズムを整える」「体を鍛える」など家庭生活でできる7つのアクションを取り入れてみて。お手伝いを通じた会話、スキンシップは子供の自己肯定として有効。乳幼児期には手を、学童期には目を、それ以降は心をかけて、惜しみなく愛情を注いでほしい。
帯広市PTA連合会会長 山中康幸さん
PTAの歴史は古く、1897年に米国で組織された。帯広では1947年に誕生し、現在は市内の小・中学校40校で活動。保護者、教職員が協力し合い、子供たちの育成に取り組んでいる。善意、自主、独立のボランティア団体であり「できる人、時、こと」をやることが大切だと考えている。
PTAには総務部、研修などを計画する文化部、地域の環境整備などの社会部などの部で構成する。活動は強制ではなく、「話し合い」に参加するだけでも立派な活動。健全な意見を相互に伝え合い、会員が「良い親」「良い先生」に成長し、子供たちに還元する-ことが良い活動になる。
取り組みを活発にするための工夫として▽計画的▽記録ノートをつける▽話し合いの内容は身近に▽誰もが自由に話せる雰囲気▽時間設定-などが挙げられる。自分自身も誘われたのがきっかけでPTA活動に参加している。敷居が高いと思わずに、気軽に参加してほしい。