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【十勝へのメッセージ-企業トップに聞く-】フルタイムシステム 原幸一郎社長

  • 2017年5月2日 13時05分



「あったらいい」を形に
世界初「宅配ボックス」

 集合住宅などで宅配された荷物を一時保管する「宅配ボックス」。世界で初めて開発したというフルタイムシステム(本社東京)は、全国主要都市を中心に圧倒的なシェアを誇り、ネット通販の急増や運輸業界の深刻な人手不足の中、業界をリードし続けている。同社創業日である今月1日は、日本記念日協会認定の「宅配ボックスの日」。清水町内に農場「フルタイムファーム」を開設し、女子アイスホッケーチームのスポンサーを務めるなど、十勝・清水町への地域貢献も続ける原幸一郎社長(74)に今後の展望や十勝への思いを聞いた。

<はら・こういちろう>
 1943年大阪府出身。同志社大学文学部卒。在学中はラグビー部に所属し打ち込んだ。86年に同社を設立し社長に就任。趣味はゴルフや釣りなどで、豪州など海外でクルーザーに乗りカジキマグロを釣り上げることも。座右の銘は祖父からの教えである「稼ぐに追いつく貧乏なし」。

安全第一 開発からアフターケアまで
 -「宅配ボックス」開始の経緯は。
 1980年代当時、マンション管理業務を請け負っていたが、留守中に預けられる荷物が管理人室を占拠するようになった。ゴルフセットの盗難事件も発生し、入居者が不在時にも安全・便利に預け入れられ引き取れる「場」をと考えた。現在マンションを中心に約2万6000棟に設置され、年間約3000万個の荷物が出し入れされている。

 開発から製造、アフターケアまで自社で一貫して行うのが強み。安全性を第一に当初は社長自ら電話を握り24時間対応で問い合わせに応じた。現在主流のボックスはネット接続し、預け入れ時に入居者にメール通知し盗難やいたずらを検知するとアラームが作動する。生鮮品に対応した冷蔵ボックス、フィットネスジムなど共有施設の予約利用やレンタサイクルの貸し出し・返却に対応する機種もあり、その用途はマンション以外の分野にも広がりを見せている。

宅配ボックスの開発・製造・設置で業界をリードするフルタイムシステム。ボックスの高機能化・多機能化を進める

御影グレッズ支援
 -清水町との関わりは。
 同志社大ラグビー部時代の知人の紹介で訪れ気に入り、2006年から町内でフルタイムファームを運営する。支援する女子アイスホッケーチーム「フルタイムシステム(FTS)御影グレッズ」は昨年、結成30周年を迎えた。日本代表2人(小野粧子、近藤真衣両選手)も誕生し平昌五輪の活躍に期待している。

 昨夏の台風で清水町が大きな被害を受け、依然町内では未復旧の橋や道路も見られ心が痛む。土砂が流入したり表土が流出した農地は土づくりに5年、10年という長い期間がかかるが、とにかく元気を出してほしい。当社も真っ先に義援金を寄せたが、これからも復興を応援したい。

追い風受け変化へ
 -今後の事業展開は。
 「宅配ボックス」事業は追い風を受け、変化の時期。すぐにボックスがいっぱいになる事態を解消しようと、宅配業者のヒアリングを基に小口荷物用にボックスを細分化し間口を増やした。再配達による人的負担や環境負荷をなくすため、国も公共空間への設置費助成事業を始めた。十勝など車社会の地方でも、役所などにボックスを設け、仕事後に受け取れる環境があると、受け入れられるのでは。

 客の「あったらいい」「ほしい」を見極めて、形にするのが社長の役割で、宅配ボックスの着想につながった。大学卒業後、米国に1年間滞在し、その後3年間をかけて世界中をヒッチハイクしながら生活を送ったことが、危険察知や先見性を養った。宅配ボックスの機能はさらに拡充でき、今後もニーズを形にしていきたい。
(聞き手・東京支社長竹内徹)

<フルタイムシステム>
 1986年にフルタイムロッカー(宅配ボックス)を製造、販売、運営する企業として設立。クリーニングの受け渡しや交通系ICカード対応、レンタカーの鍵の受け渡しボックスなど新機能を付与したボックスを次々と開発。2012、13、16年にはグッドデザイン賞を受けた。資本金4億9800万円。年間売上高48億8682万円(16年4月決算)。従業員数175人(4月現在)。

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