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【十勝へのメッセージ-企業トップに聞く-】三菱スペース・ソフトウエア 稲畑廣行社長

  • 2017年4月11日 13時00分



宇宙技術発の社会インフラ
業容広げ55年

 三菱スペース・ソフトウエア(本社東京)は、人工衛星管制などの宇宙、防衛、航空をはじめ、鉄道地震防災システムなどの防災、環境、遺伝子情報解析を通じたバイオ・医療支援など、さまざまな分野で専門性の高い最先端のシステムを開発、提供している。情報システムを「社会インフラ」の一部と位置付け、同社を率いる稲畑廣行取締役社長(62)に、これまでの歩みや、十勝の宇宙基地構想への期待などを聞いた。

<いなはた・ひろゆき>
 1955年東京都出身。80年早稲田大学大学院理工学研究科修了、三菱電機に入社。鎌倉製作所衛星情報システム部部長、本社宇宙システム事業部長などを歴任し、2015年から現職。音楽一家に育ち、趣味は学生時代からたしなむチェロ演奏で、年に十数回は演奏会で披露する腕前だ。「互いに響き合う丁々発止の弦楽四重奏の演奏が一番楽しい」と笑う。

大樹の事業 新しい視点で活性化を
 -創立55周年を迎えた。
 出発点は宇宙開発産業。人工衛星は打ち上げ後補修できず宇宙空間での自律機能が必要で、管制機能技術を高めてきた。現在も国産ロケットの航法誘導部門で圧倒的なシェアを持つ。(スペースという)社名に引かれて、宇宙=未知に関心のある理工学系の優秀な学生が続々と入社し、大学や国の研究機関などの高度な研究内容をシステムとして実現しながら、自在に他分野に業務を広げてきたのも特徴だ。

 地震発生時の揺れが届く前に走行中の列車を停止させる鉄道地震防災システムも得意分野。現在は自動運転を含めた車載機器開発に注力し、国産ジェット旅客機MRJの開発にも関わる。一見幅広いが、根底には各分野で対応可能な応用力と、それを実現できる高度な技術力という共通点がある。信頼性と探究性を軸に、宇宙事業分野で培った技術を社会インフラに適用させ、貢献したい。

 -北海道大学が進めてきた、がん遺伝子の高精度解析にも参画、北斗病院(帯広)でも活用されている。
 国内初のがん遺伝子解析で、当社のシステム開発技術が応用された。がん遺伝子解析には1カ月単位を要したが、当社技術で最短2日間で大容量のデータを解析できる。患者ごとに効果的な治療法や抗がん剤を判定するオーダーメード医療の一環であり、セカンドオピニオンのように活用されてほしい。「生命」に関わる重要分野と位置付け、さらに技術を向上させたい。

宇宙、防衛、航空をはじめ遺伝情報解析を通じたバイオ・医療支援など幅広い分野で最先端のシステムを開発する三菱スペース・ソフトウエア

 -大樹町の宇宙のまちづくりの印象は。また、今後の事業展望を。
 十勝には訪れたことはないが、大樹町の動きはよく伝わっている。宇宙開発は重厚長大と言われるが、ベンチャーの新しい視点が次世代の宇宙の活性化にもつながることを期待している。射場が複数あるメリットは大きく、南東に開けた大樹町は期待できる。息の長い事業だが、海外に追従するのではなく、ユニークなアイデアを持ってこそ活路が開ける。当社の55年の蓄積を生かして、何かお役に立てれば。

 当社のソフト開発事業は「社会インフラ基盤」であると自負する。システム事業の強みは、自在に変容させることでさまざまな分野に適合、応用できる。AI(人工知能)やIoT(モノのインターネット)などの「ツール」も活用して、安全、安心、快適な情報化社会に適応、貢献したい。
(聞き手・東京支社長竹内徹)

<三菱スペース・ソフトウエア>
 1962年三菱グループと米国TRW社の合弁による三菱テー・アール・ダブリュ(MTRW)として設立。76年から現社名に。宇宙、航空、防衛分野やDNA情報管理利用システム開発、設計、製造・販売などの事業を展開する。資本金5億円。年間売上高209億円(2015年度)、社員数978人(16年3月末現在)

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