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【十勝へのメッセージ-企業トップに聞く-】エア・ウォーター 藤田昭専務・北海道代表

  • 2017年3月10日 13時00分



水素社会の実現 鹿追で技術発揮
農業は産業 6次化で雇用貢献

 ほくさんを前身とする「エア・ウォーター」(本社大阪)は現在、産業ガス、エネルギー、医療へと幅広く業態を広げている。十勝では、水素社会の実現を目指して鹿追町で実証実験を進めているほか、農業機械から農作物の栽培・調達、加工、物流までを手掛け、農業・食品分野も拡大している。事業方針は「北の大地の恵みを100%活用するバリューチェーンの構築」。同社専務で北海道代表の藤田昭氏(65)に、事業戦略などを聞いた。(聞き手・札幌支社長 脇坂篤直)

<ふじた・あきら>
 1951年福岡県小倉市(現北九州市)生まれ。北九州大学卒。75年に大同酸素入社。エア・ウォーター執行役員秘書室長、同専務取締役人事部長、同第一総合企画室長などを歴任し、2012年から現職。

 -十勝の事業展開は。
 バイオガスプラントが稼働している鹿追町では、メタンから水素と炭酸ガスを分離して水素を使うことができる。その水素を取り出して精製する技術を持っているわれわれが、水素社会の一翼を担い、社会に貢献することを目指していく。

 室蘭市の「水素タウン構想」では移動式水素ステーションの第1号を手掛けた。次に鹿追でバイオガスを利用して水素ステーションをつくろうとなったことから、道内唯一の水素ガスメーカーであるわれわれは、社会が望む「水素社会の実現」に手を挙げた。要請があれば技術で応えられることから参画している。

ホウレンソウ工場を軌道に
 -農業、食については十勝に注力しているが。
 ガス技術を使い、カニ、イクラ、アスパラに窒素を吹き掛けて瞬時に冷凍する食品事業をもともと手掛けていた。2002年にはハムとソーセージの製造に本格参入し、09年にはガラスハウスを取得してトマトを作る農業にも参画した。

 その後も農業機械、食品流通業者と一緒に事業を進めていくうち、帯広の冷凍野菜の製造販売「林屋」や、足寄の農機具メーカー「日農機製工」(いずれも現グループ会社)と連携するようになったのが十勝への入り口となった。

 十勝はひとかたまりになって北海道の食を支えている。素材が手に入るし、加工もできる。食の宝庫である十勝で加工品を作り、一つの地産地消のラインに乗せた。農業という産業の集積地が十勝にはある。

 -今後も全道的にM&A(合併・買収)戦略の可能性はあるか。
 直近でいうと、幕別町内のホウレンソウ工場を買い取り、軌道に乗せるべく努力している。収益が出るように成り立つようなひと工夫、ふた工夫を進め、次の投資をしていく。

 農業に参入したのはわれわれの知見が届くという意味もあるが、地元の雇用を生み出すということも大きな意味がある。道内従業員約3200人のうち、十勝では約400人を雇用している。農業は産業だ。収益を考えながら地域の皆さんとともに農業の6次産業化を進めていく。

世に役立つ事業 十勝から発信を
 -十勝のイメージは。
 生まれは九州の小倉で、工業地帯で育った。当時は工場から出る煙がすごかった。北海道に来て、まずは緑の美しさ、水や空気のきれいさに驚き、その大きさにも圧倒された。北海道・十勝は日本に残された最後の大地だと思う。

 -十勝へメッセージを。
 広大な大地と自然の中で、世の中に役立つ事業をもっと十勝から発信してほしい。それだけの力がある。われわれも一緒にやらせてもらえればありがたい。十勝に住んでいる皆さんが思う以上に、本州の方はそのブランドに憧れている。食という地域の特長を前面に出し、本州のみならず世界へも発信してほしい。

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