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【十勝へのメッセージ-企業トップに聞く-】北海道農業公社 竹林孝理事長

  • 2017年2月3日 13時05分



スマート化の進展 十勝が先陣開いて
担い手確保へ新たな研修手法も

 安全安心をうたう北海道農業のブランド力は国内トップクラスを誇る。一方で、人口減少による担い手不足が大きな課題になっている。北海道・十勝農業が持続的に発展するためには、担い手不足などの対策を講じなければならない。北海道農業担い手育成センターの役割を担う「北海道農業公社」(札幌)では次世代農業者の確保、育成に力を尽くしている。十勝総合振興局長の経験もある竹林孝理事長(61)に事業方針を聞いた。
(聞き手・札幌支社長 脇坂篤直)

<たけばやし・たかし>
 1956年空知管内北竜町生まれ。北大農学部卒。78年に道職員に採用され、上川支庁を初任地に農政畑を歩む。2009年に十勝支庁長に着任、翌年の支庁制度改革で初代の十勝総合振興局長となる。農政部長などを歴任後、15年に退職し、昨年6月から現職。

農外から参入 4割公社経由
 -北海道農業公社が行っている事業について。
 事業の柱は(1)農業担い手対策(2)農地流動化対策(3)生産基盤整備事業(4)畜産振興事業-の4つ。担い手対策では専任の就農コーディネーターを配置し就農相談会を開催しており、農業を志す人の相談窓口になっている。農外からの新規参入者の約4割は公社を経由している。農場リース事業では離農した農場を公社が再整備して新規就農者に売り渡している。この制度を活用し、十勝では41農場が就農している。

 生産基盤整備は草地改良やTMR(総合調製飼料)センターの施設整備を行っているほか、畜産振興では、乳肉牛の導入を支援する貸付事業や直営牧場での育成事業を展開する。大樹町にある十勝育成牧場では乳肉牛約千頭を飼育し、初妊牛の供給や黒毛和牛の振興に取り組んでいる。

 -担い手育成や国際競争力強化など道内農業をめぐる環境は課題も多いが、今年の取り組みは。
 まずは担い手の育成・確保が重要だ。就農相談会の来場者数は減っており、就農関連情報の収集方法も多様化している。農業法人の雇用の増加や就農研修施設の整備など状況変化を踏まえて取り組みを再構築していきたい。

 担い手・労働力不足を緩和する対策としては搾乳ロボットなどの省力化を図るための整備を推進する必要がある。これまでも省力的で効率的な生産体系の導入により、規模拡大や生産性の向上が図られてきたが、最近はスマート農業と呼ばれるGPS(全地球測位システム)やロボット、センサー、情報通信機器の技術開発が進んでいる。特に大区画農地がある十勝はこの分野で先陣を切ることが期待される。

復旧に最大限 夢実現の地に
 -昨年の十勝は台風災害や鳥インフルエンザの発生などで大きな影響を受けた。
 被害を受けた地域の農家の皆さんにはお見舞いを申し上げる。公社も昨年は復旧工事や災害調査に参画した。今年も最大限の取り組みをしていきたい。十勝農業にとっては試練の年であったが、百数十年前の開拓時代はもっと厳しい状況を耐え忍んできたであろうと思う。それを乗り越えて今日の豊かな十勝農業が実現している。昨年の災害も将来に向けたバネにするようなたくましさを持っていると確信している。

 -十勝農業への応援を。
 2016年産の農協取扱高は記録的な前年に次ぐ数値になったと聞いており、十勝農業の底堅さを見せた。一方、十勝で気になるのは15年の新規就農者が84人と、これまでの百数十人から大幅に減少していることだ。特に、農外からの新規参入者は全道で100人を超えているのに対して十勝は毎年1桁台というのは意外。十勝は誰もが認めるナンバーワンの農業地帯であり、そのブランド力は抜群だ。農業や食に関心を持ち大十勝で夢を実現したい若者はたくさんいるはず。そうした夢を実現できる大地であってほしい。公社は十勝農業の発展にいささかでも貢献できるよう力を尽くしたい。

<北海道農業公社>
 1970年に設立された北海道農業開発公社が前身。2009年に北海道農業担い手育成センターと合併し、12年に現在の名称に変更した。道内には9支所があり、帯広に十勝支所、大樹に十勝育成牧場を所有している。

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