HOME 特集 【十勝へのメッセージ-企業トップに聞く-】PSソリューションズ 山口典男CPS事業本部長
   | メール配信登録  twitter facebook |

特集

【十勝へのメッセージ-企業トップに聞く-】PSソリューションズ 山口典男CPS事業本部長

  • 2016年12月20日 12時34分



科学的な農業経営推進
 ソフトバンクグループのITソリューション、ITアウトソーシング事業のPSソリューションズ(東京)が農業のIoT(モノのインターネット)化に積極的に乗り出している。温湿度や土壌状態などのデータを随時蓄積・解析し、適切な農作業を促す「e-kakashi(いいかかし)」は、農業者の勘と経験に頼りがちだった農業の世界に革新を与えると注目されている。開発と普及の先頭に立つ山口典男CPS事業本部長(53)に、農業や十勝の可能性などを聞いた。

<やまぐち・のりお>
 1963年東京都出身。電気通信大学電気通信学部卒。2006年にソフトバンクに入社し、15年から現職。08年に公立はこだて未来大学大学院で博士号(システム情報科学)を取得。

IoT化積極的に
「e-kakashi」でほ場の状況解析

 -「e-kakashi」開発の経緯を。
 農業技術が日進月歩で、親から習うだけでは限界だと親自身も後継者も理解している。データを蓄積するだけでなく活用できるシステムとして開発した。親機(ゲートウェイ)と温湿度、土壌水分などを測定する子機(センサーノード)を接続し、ほ場の状況を常に客観的に解析する。科学的根拠に基づき、その時必要、適切な対応を導き、科学的な農業経営ができる。

担い手不足解消
 現在はカーナビの発売当時に近い状況と感じる。「便利そうだが必要ない」の声が大半だったが、渋滞情報などの判断材料と安心感を与え必需品になった。食用植物は特性解明が進んでおり、地理的条件も加味すれば、食味など消費者ニーズに合致した作物生産も可能になり、農業の産業化につながると期待している。

 -今の国内農業の現状をどう受け止めるか。
 重要なのは個々の農家の保護ではなく、農業を産業としてどう保護・発展させるかだ。不透明なTPP(環太平洋連携協定)にかかわらず、日本の農業は良い物を生産し適正価格で販売する成長産業に発展できる。農業のIT化で、担い手不足や高齢化は対処でき、国土面積は小さいが、フランス、オランダ同様に農業輸出国に成長させたい。

PSソリューションズが開発・普及をする農業センターネットワーク「e-kakashi」

成長産業化へ
 -北海道・十勝の印象は。
 日本の中で農業で成功している数少ない地域で、若手を中心に意欲的な農業者が多く、大きな可能性を感じる。経済産業省の「地方版IoT推進ラボ」の対象に、士幌高校でのe-kakashi活用事業が採択され、来年度から本格的に授業で活用される。生徒がパソコンやスマートフォン上で管理、分析し、農作業の判断に役立てる。

 開発段階から、音更町などにも協力をいただき、氷点下10度まで対応する「北海道仕様」に仕上げた。大規模・高効率の十勝農業に役立つと自負している。既に道外では自治体単位での導入実績もあり、今後、十勝で普及に向けたプロモーションを強化したい。

 -これからの農業をどう展望するか。
 急速に発展を続けるITビジネスと異なり、植物の成長速度には限界がある。農業を持続的に発展させるには、単に経済学的な観点だけでは論じられない。食料確保は国益にも関わり、世界的な人口増加対応や、環境負荷軽減などにも目を向ける必要がある。当社の取り組みで、科学的な農業経営を確立し、農業の成長産業化に貢献したい。
(聞き手・東京支社次長林真由)

<PSソリューションズ>
 ソフトバンクグループの100%出資で、2010年に設立。ITシステム設計・支援や外注、スマートフォン上の会員カードによる集客・顧客管理システム、アプリの開発・提供などを行う。資本金1億円。従業員数200人(2016年現在)。

観光特集(勝毎電子版)
十勝川白鳥大橋ライブカメラ
とかち観光書店
6~12時 12~18時
18日の十勝の天気
最高気温
-4℃
最低気温
-17℃
朝日デジタル

今、なぜ「かちまい」…
ご購読のお申し込み